2015年7月18日土曜日

弱めのタキシード


こんばんは。



昨日のブログでは、黒という選択肢もアリですよ



なんてことを書き、



最後に私の私物の黒スーツの写真で終りましたが



今日はその続きを。



ちょいと長いですが、ご興味のある方はお付き合いくださいませ。









このスーツ。何だか普通のスーツと少し違いませんか?


昨日、「弱めのタキシード」 なんて書き方をしました。



それを説明するために


まずはタキシードについて軽く触れておきますね。


まず、「タキシード」 ってどんなものか、ご存じでしょうか?


なんとなーく、イメージは湧くけど・・・という方も多いはず。


「黒くて・・・」  他には・・・ん~




それではフォーマルウェアというといかがでしょう?


モーニングや燕尾服(テイルコート)、ディレクターズスーツ


なんてのは聞いたことがあるかと思います。




では、それぞれどんなものか?


簡単に書くと


モーニングコート → 昼の正礼装

燕尾服(テイルコート) → 夜の正礼装

ディレクターズスーツ → 昼の準礼装

タキシード → 夜の準礼装



ということになります。


おや? 「昼の」 「夜の」 と書いていますね。


そうなんです、


フォーマルウェアは 昼か夜か、でルールが変わるわけです。




「タキシード」 は 夜の準礼装ですから


夜のパーティなどに着用するもの。ということになります。


タキシードというと 


「なんとなく、パーティ用の服」


というイメージを持たれている方がいらっしゃると思いますが


昼間のパーティには適しません。夜の服なので。


夕方以降なら完璧なのですが、


2時とかだと微妙かなぁ。


午後ならギリギリオッケーという声もあったりしますが


それはその他の色々な条件も影響しそうなので難しいところです。





その他の正礼装、準礼装 についてはまたそのうち機会があれば。


いま書いていくと、長くなり過ぎてしまうので笑


興味がある方はご自身で調べてくださいね。


検索すればいくらでも出てきますから。


さて、そんなタキシード。





日本ではタキシードという呼び方が一般的ですが、


ディナージャケット、スモーキングジャケットなどとも呼ばれます。


その起源については本当のところはわかりませんが


よく聞くのはこんな説。



1886年10月のとある日、ニューヨークのタキシードパークという地で


開催された 『タキシードパーク・クラブ』という正装の舞踏会にて


周りの者が燕尾服を着ているのにもかかわらず、


開催者の息子である グリスウォールド・ロリラード氏 が


赤いスモーキングジャケット(燕尾服の裾をカットしたようなデザインの、当時のいわゆる部屋着)


を着用し、


「おぉ!なんだあのオシャレな格好は!?」


なんてことになったようです。


でも、実はうっかり部屋着のスモーキングジャケットのまま、出て行ってしまっただけ


なんて裏話もあるようです笑。


真相はわかりませんけどね。




その後、1890年代になると、スモーキングジャケットに


燕尾服のスタイルにスモーキングジャケットを合わせたスタイルが流行し


「タキシード」 として定着したとか。



流行って、それがルールとして定着するんですから面白いですよね。


その後も実は 「タキシード」 は特に20世紀前半で


色々な流行りを経て、スタイルを少しずつ変えていくことになります。


燕尾服の名残で、白の蝶タイがスタンダードだったものがいつしか


黒の蝶タイを付けることがスタンダードに変わったり、


ショールカラーだけだったラペルデザインに


ピークドラペルも使われるようになったり。



そして、現在のタキシードというと









こんなスタイルが一般的。
 
 

拝絹という、サテンで切り返したラペルに一つ釦、ノーベント。


襟は画像のようなショールカラーだけでなく、ピークドラペルもあり。


ポケット口(玉縁)も同サテンで切り替え。


ちなみに、ポケットは糸で口を止めておりポケットとして機能しません。


そして、普通のスーツに付いているフラップもありません。


もともと、雨よけのフタとして付けられたフラップですから、


室内専用のフォーマルウェアには不必要、ということですね。








釦はボディと同生地の包み釦を使用した 「拝み(おがみ)釦」 仕様が一般的。


普通のスーツのように左右の身頃を重ねて釦でとめるのではなく、


左右の身頃を手を合わせるように(拝むように)して釦でとめます。









ジャケットの仕様としては簡単にはこんな感じ。


ちなみに、パンツは側章入り、裾はシングル仕上げ。




この他、小物関連も色々と決まり事があって、例えば


シャツは白のウイングカラーもしくはレギュラーカラーの比翼仕様。


ダブルカフスでカフリンクスは黒蝶貝など黒系のもの。


蝶タイは黒。カマーバンドは蝶タイと同生地が望ましく、


ポケットチーフはリネンかシルクの白をスリーピークスで。


パンツはサスペンダーで吊りましょう。


などなど



ややこしいですか?笑


これをすべて細かく説明していくとと大変なことになるので


ここはさらっと流しましょう。気になる方はご自身で調べるか、


店頭で直接聞いてください笑




とまぁ、タキシードにはいろいろと決まり事があるわけです。






そして、ようやく文頭の 「弱めのタキシード」 を説明できる段階に・・・笑













同生地の包み釦や拝み釦、


シングル1釦のピークドラペル、フラップなしのポケット


といった、タキシードジャケットのディテールを取り入れつつ


堅苦しくならないよう、ラペルは拝絹(サテンの切り替え)にせず、


ポケット口もサテンの切り替えにはしておりません。










パッと見の印象で、 「タキシード」 として認識される一番のポイントは


ラペルのサテン切り替えですので、この部分だけを外しました。


あえてタキシード感を弱め、ブラックスーツ寄り に仕上げることで


仰々しさを抑え、使い易く、なおかつ、小物などでも遊び易い!


そんな狙いです。


なので、 「弱めのタキシード」 なんて表現を。


普通のブラックスーツでもありませんしね。



実際にガチのタキシードとなると、ちょっと恥ずかしくないですか笑??


ご自身が主役でしたらまだしも・・・ね。




もちろん、↑でダニエルクレイグ氏が着ているような


普通のタキシードも作れますので


オーダーご希望の方はご相談くださいね。





ではでは今日はこのへんで。


あ~、疲れた。


話せばすぐなのに、文章書くのってしんどい・・・




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